伝統教学3 – 基礎教学 ~ (1) 三大秘法1/2【無料】

日蓮大聖人の教義の根本は、三大秘法です。創価学会員は草創以来、戸田先生、池田先生の指導のもと、御書と日寛上人の六巻抄を学び、教学を信心の基盤としてきました。
日蓮仏法の極説中の極説である三大秘法を学ぶにあたり、今一度、私たちも先人に習い、御書と六巻抄を通して、まずは三大秘法の概要を学んでいきたいと思います。

池田先生は日寛上人の六巻抄について次のように教えてくださっています。
「日寛上人の六巻抄は、日蓮大聖人の正法正義を、化儀の広宣流布の未来に流れ通わしめんがため全魂をこめて著された破邪顕正の書であり、(中抜)未来永劫にわたる源遠長流の教学の大基盤であると信ずる。即ち、六巻抄全体は、当時の邪義を摧破(さいは)した破邪の書であり、正像の仏法と、末法適時(ちゃくじ)の大仏法を峻別し、日蓮大聖人の御書の真意を知らしむ、顕正の書である。(中抜)戸田前会長も、常々『教学は日寛上人の時代に帰れ』と申されていた。(中抜)もはや、一宗門の六巻抄にあらずして、万人の六巻抄となりつつあることを銘記されたい。(中抜)本講義が、さらに広大な教学の潮流となって、二十一世紀の生命の世紀を開いていくことを願ってやまない」(1974年、六巻抄講義 聖教新聞社刊)と。
現在、私たちの家に御安置している御本尊の多くは、日寛上人書写の御本尊です。
日寛上人の教学体系には、大石寺の口伝や伝統化儀を重んずるが故の意図的な操作が含まれているとはいえ、それは、日蓮本仏、曼荼羅正意(※本意)をより鮮明に示そうとする強い信仰観によって貫かれており、何より〝日蓮大聖人の法体〟に関する洞察力とその考察においては時代を超えて括目すべき普遍性があります。
その意味から創価学会の三代の会長も、日蓮教学を学ぶ基本として、日寛上人の文段や六巻抄を評価し最重視されたものと考えられます。ただ、繰り返しになりますが、三大秘法は日蓮仏法における最重要の根本教義であるため、わずか数枚の行数で三大秘法の真意を伝えることは不可能であると考えます。よってここではその概要を見ていき、今後の研鑽の参考にしていただければと思います。

三大秘法とは「本門の本尊」「本門の戒壇」「本門の題目」の三つをいいます。
大聖人は「天台・伝教は法華経の義を述べたが、本門の本尊と上行等の四菩薩(上行・無辺行・浄行・安立行)と本門の戒壇と南無妙法蓮華経の五字については説かずに残された」(九六五頁、通解)と述べられ、その理由を「一には仏が授与されなかったからであり、二には時機が未だ熟していなかったからである」(同頁、通解)としました。そして「おのおの我が弟子たろうとする者は深くこのことを承知しておきなさい。たとえ大難が身命に及んでも退転してはならない」(同頁、通解) と弟子たちに厳命します。
日蓮大聖人は法華経に記された通りの大難を受け、法華経を身読したことによって、法華経神力品で、末法に弘通する法体の付嘱を受けた(結要付属)上行菩薩の再誕であることを証明し、さらには、上行菩薩の内実であるところの末法の御本仏として(発迹顕本)、本門寿量品の文底にある南無妙法蓮華経を生命に顕現しました。これを「一大秘法」と言います。

六巻抄によれば「釈尊滅後の正法・像法時代に現れた仏教指導者が未だ弘通せず、説かなかった最大深秘の大法がある。その大法とは一大秘法のことである。一大秘法とは、すなわち本門の本尊であり、その本門の本尊受持の所を名づけて本門の戒壇となす。そして、この本門の本尊を信じて唱える題目を本門の題目となす。それらを名づけて三大秘法となす。また、三大秘法を六義に開き、本尊には『人』と『法』があり、戒壇には『義』と『事』があり、題目には『信』と『行』がある」(依義判文抄、趣意)とあります。
つまり、日寛上人は大聖人の建立した三大秘法は、一大秘法(本門の本尊)を中心(前提)として戒壇、題目が立てられるので、その一大秘法は三つ(三大秘法)に対応し、さらに六義(六大秘法)に立て分けられるとされています。

釈尊の教えの中でもっとも優れた経典は法華経ですが、天台は法華経が最第一であることを「一念三千の法門」で論証します。大聖人は天台の一念三千の法門を通して、法華経の本門寿量品の文の底に秘沈している三大秘法を引き出し、日蓮仏法の根本教義としました。
大聖人が弟子に送った開目抄で「一念三千の法門は但法華経の本門寿量品の文の底にしづめたり」(一八九頁)と、そのことを表明しています。
文底とは文上の対義語で、大聖人の立場から法華経の真意を読んでいくことをいいます。文上は法華経を文字どおりに読むことをいい、これは釈迦仏法の立場に当たります。
釈迦仏法の中でも「迹門と本門」の立て分けはあるのですが、釈迦仏法の本門と大聖人の本門を明確に立て分けるために、日寛上人は大聖人の本門を「文底独一本門」と表現しました。
大聖人は「今日蓮が弘通する法門はせばきやうなれどもはなはだふかし、其の故は彼の天台伝教等の所弘の法よりは一重立入りたる故なり、本門寿量品の三大事とは是なり」(一一一六頁)と述べられていますが、これは大聖人が弘める大法は釈尊の説いた法華経をそのまま弘通するのではなく、法華経(寿量品)の文底に秘沈された三大秘法の南無妙法蓮華経を弘通する、という意味です。
大聖人は末法万年にわたる民衆の成仏を願い、自身の胸中にある妙法を誰もが目に見える形で図顕したのが「本門の本尊(一大秘法)」です。そして、その大法と日蓮大聖人の思想を現代に展開し、日本はもとより世界に弘めた(広宣流布)のが、牧口先生を源流とする創価三代の会長と学会員なのです。次は三大秘法を詳しく見ていきます。

参考資料 日蓮大聖人御書全集・六巻抄・教学の基礎(2002年聖教新聞社刊)・仏法理解のための一問一答(1980年聖教新聞社刊)・大白蓮華(1984.10月)

執筆者プロフィール

香乃助
高校生時代は、小型バイク(パッソーラ)に乗って街に出没し、毎日遊び呆けて過ごす。
高校卒業後は、職人の世界に入って仕事の腕を磨く毎日。
21歳になるまで一冊の本も最後まで読みきることができなかった本物のヘタレ。
ところが、20代後半から読書に目覚め、一ヶ月に最低15冊は読了するようになった変なヤツ。
その後、仏壇に供える線香の香りにほれ込み、香道の流儀などお構いなしの型破りな香道人生を歩む。
現在は、伝統的香りの線香と香木の香りを聞きながら、読書をする毎日です。

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