前回の哲学入門では、ジェレミー・ベンサムとジョン・スチュアート・ミルを取り上げ、功利主義を紹介した。功利主義とは、社会全体の快楽の増大や苦痛の減少を基準にして、道徳や立法の判断をするべきだという考え方で、行為の結果として生じる効用性によってその善が決定されるべきだと説く。同時代のヨーロッパ大陸では思弁的な観念論の哲学が発展してゆくのに対して、英国で誕生した功利主義は、いわば具体的な哲学として展開してゆく。
大事な何かをその手に取り戻す実験場。政治、宗教、生活、歴史、経済など各界の論客たちが思い思いの言葉を綴ります。
前回の哲学入門では、ジェレミー・ベンサムとジョン・スチュアート・ミルを取り上げ、功利主義を紹介した。功利主義とは、社会全体の快楽の増大や苦痛の減少を基準にして、道徳や立法の判断をするべきだという考え方で、行為の結果として生じる効用性によってその善が決定されるべきだと説く。同時代のヨーロッパ大陸では思弁的な観念論の哲学が発展してゆくのに対して、英国で誕生した功利主義は、いわば具体的な哲学として展開してゆく。