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ぼくは伯父さん0 - はじめに | すたぽ-Starting Point-
1950年代のフランス映画で最も好きなのがジャック・タチ(監督・脚本・出演)の『ぼくの伯父さんの休暇』という作品があります。南仏の避暑地にやってきてバカンスを楽しむユロ氏は、行く先々でコミカルな騒動を引き起こします。しかし、ユロ氏は一向に気にせず、飄々と人生を楽しんでいます。 初めてこの作品を見た高校生のころ、こういう大人になりたいと願っていたのですが、気がつけば、ユロ氏を演じたジャック・タチの当時とほぼ同世代になってしまいました。はやく「大人になりたい」と希い、時を刻んできたつもりですが、果たして同じような人間になれたのかは疑問です。 ただし気分は、「ぼくの伯父さん」のままです。同じように少し立ち止まり、あるいは少し速歩きしながら、暮らしと世界を顧みてみようと思います。