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哲学入門39 – コラム:他者に勝ることは果たして自身の安心立命になるのか=ニーチェ【無料】

哲学入門38 – 3.3 前史(9) ニーチェとニヒリズム(1)

前回の哲学本編では、ニーチェを取り上げ、その1として、寄る辺なき時代を生きる哲学としてニヒリズムの思想を概観した。ニヒリズムと聞けば、虚無主義と訳されるように、現実世界への諦めとしての諦観の如き印象でこの国では流通しているが、そうではない。たしかに、ニーチェが生きた19世紀後半の西洋世界とは、現実世界への諦めを申告せざるを得ないような、価値観の大喪失の時代である。ものごとの根拠になっていたことがガラガラと崩れ始め、真実とおもわれたことが虚偽にすぎないと喝破された時代であるが、ニーチェはその現実を前に、諦めを説いたのではない。そうではなく、根拠がない時代であればあるからこそ、自分本位に力強く生きていくほかないと説いたのである。

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