哲学入門76 – コラム:ケセラセラとさせられた「後」の責任、あるいは創造が課題である

哲学入門では、実存主義とフランクフルト学派の批判理論を中心に、これまで第二次世界大戦後の思想世界を概観してきた。この後、世界を席巻するのが構造主義を端緒とする一群のフランス現代思想と呼ばれる思潮である。 その本論に入るま …

哲学入門71 – コラム:人間の全人性を回復させる思想家・バタイユ【無料】

ニーチェの影響を受け、生と死、そして、聖なるものと穢れたものという観点から、人間と社会を捉えなおそうとした思想家がバタイユ(1897年-1962年)である。その思想史的な影響は今なお強いが、それは、バタイユが近代の生産主 …

哲学入門69 – 暮らしと哲学 人間が人間らしく生きることを妨げる「前例主義」【無料】

市町村の広報紙の「おめでた」欄への違和感 市町村が発行する「広報紙」には、「赤ちゃん誕生」や「おめでた」と題した子どもの誕生を地域に伝えるコーナーがあるそうです。子どもと一緒に香川県に赴任した記者がちょっとした疑問を持ち …

哲学入門68 – ウジケさんと子ども哲学(9) 「考える」ことから「自覚」へ【無料】

〔子ども向け本文〕 ・物との関係  これまで哲学的に思考すること、あるいはどのように探究するのかについて述べてきましたが、ここで少しまとめてみようと思います。  第一に、「身近なものへ注目する」ことから始めようとこの連載 …

哲学入門67 – コラム:サルトルと対峙したカミュとメルロ=ポンティ【無料】

数回に渡って実存主義を取り上げてきたが、実存主義といえばサルトルという印象は拭いきれない。前回は、カミュとメルロ=ポンティを取り上げたが、二人はサルトルと対峙することで、新しい前途を示した。その意味では、実存主義をレプリ …