名著を読む23 – アンドレ・レノレ『出る杭は打たれる フランス人労働司祭の日本人論』(岩波現代文庫)を読む。

◇ ルポルタージュを読む意味  工場にもどると、村本さんは工場長にしかられた。  「オレはここで働いて二十年になるが、休みをとらなきゃならんようなケガなんか、一度だってしたことがないぞ。ケガはおまえの注意不足のせいだ。」 …

名著を読む22 – ジョン・ロック『知性の正しい導き方』(ちくま学芸文庫)を読む。

 人間が自分自身を導くにあたって最終的に頼ることができるのは、自分の知性です。なるほど私たちは心の諸能力を区別し、あたかも意志が行為の主体であるかのように考えて、最高の指揮権を意志に与えます。しかし実際には、行為主体であ …

名著を読む19 – 夏目漱石『私の個人主義』を読む

◇ 漱石の問い  私はこの世に生れた以上何かしなければならん、といって何をして好いか少しも見当がつかない。私はちょうど霧の中に閉じ込められた孤独の人間のように立ち竦(すく)んでしまったのです。そうしてどこからか一筋の日光 …

名著を読む17 – カレル・チャペック『絶対製造工場』

◇ 「絶対」を「製造」する「工場」  「あれがただのガスだったらなあ」マレクは拳を固めて怒りを爆発させた。「いいか、ボンディ、だからぼくはあのカルブラートルを売っ払わなけりゃならないんだ! ただただ、ぼくはあれに耐えられ …