哲学入門59 – 抽象的思考の現実化がもたらす破壊の凶暴について
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大事な何かをその手に取り戻す実験場。政治、宗教、生活、歴史、経済など各界の論客たちが思い思いの言葉を綴ります。
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近代哲学の完成者と言われるヘーゲルの哲学を、弁証法、社会、歴史、人倫をキーワードに紹介しました。ヘーゲルの哲学は思索の洞窟の中で生み出されたものではなく時代との格闘で誕生したことに留意したい。
近代哲学の展開とは、人間の発見と、人間の限界の発見である。人間は自身が有限な存在であることを自覚しなければ、伸張できないのではないだろうか。
近代哲学の合理主義も経験主義も無限に万能な認識ではない。その限界を見定めて統合をめざすのがカントである。今回はカントの経験主義批判を取り上げ、統合の様子を見てみたい。
西洋近代哲学は存在論から認識論への転回として始まった。その二大潮流が大陸合理論とイギリス経験論である。権威によらず理性と経験によって真理を探求するこの二つの試みはやがてカントによって統合される。