Lwp20 – 書評:アントネッラ・アンニョリ(萱野有美訳)『拝啓市長さま、こんな図書館をつくりましょう』みすず書房 図書館とは、平等と理解、寛容を体現する知の広場

市民が自由に集い、図書を媒介に会話を楽しんだり、時には結婚式や市民討論が開かれたり…。図書を介して新しい考え方や生き方に触れることもあるだろう。カルティベイトできる「知の広場」こそ図書館である。

Lwp18 – 書評:ビル・エモット(伏見威蕃訳)『「西洋」の終わり 世界の繁栄を取り戻すために』日本経済新聞出版社、2017年/ジェイムズ・S・フィシュキン(曽根泰教監修、岩木貴子訳)『人々の声が響き合うとき 熟議空間と民主主義』早川書房、2011年。 普遍的な観念による偽装と、ローカルな構想を普遍的な価値へ高めようとする努力について

「平等」と「開放性」を軸とした「西洋」そのものが没落の危機に瀕している現在、安易な東西批判を乗り越え、人間そのものを大切にする仕組みをいかに立ち上げていけばよいのか。「生の世論」(大衆民主主義)は熟議を経て「洗練された世論」(熟議民主主義)へと転換する。

Lwp17 – 「私は天皇の親戚だ」から「看護婦の分際で何をしやがる」でいいのだろうか。

「門閥制度は親の敵でござる」とは福沢諭吉の言葉だが、能力や道理よりも血縁や地縁といった縁故が優先され、個人が圧殺されるどころか、社会が前に進まない。だからこそ、その負荷を否定し、「天は人の上に人を造らず」と宣言し、人間の平等・対等関係に基づく社会を構想したはずなのに、この国ではいまだに「縁故主義」が幅を利かせているのではないだろうか。

Lwp16 – 書評:マーク・ボイル(吉田奈緒子訳)『無銭経済宣言 お金を使わずに生きる方法』紀伊國屋書店、2017年。 他者との相互依存がお金への依存を低減する

通常我々は、他者に依存しない自立した生活を範とするが、それ自体が妄想かも知れない。お金は様々な物質やサービスを数値化し、値札を貼るからお金が必要不可欠になってしまう。しかし数値化を退け、お互いに助け合うことで、お金への依存度を逓減できるのだ。

Lwp15 – 書評:水無田気流『「居場所」のない男、「時間」がない女』日本経済新聞出版社、2015年。 「関係貧困」(男)と「時間貧困」(女)の歪みを正すためには。

なぜ「がんばっているのに上手くいかない」のか? それは自分自身に原因があるというよりも、時分自身が生きている環境にあるのではないか。がんばることは美しいと思うが、がんばる前に「ちょっと考えたい」。

Lwp12 – 書評:平田オリザ『下り坂をそろそろと下りる』講談社現代新書、2016年。日本はもはやアジア唯一の先進国ではないということ

日本は、もはや工業立国ではないこと、日本はもう成長社会に戻ることはないということ、日本はもはやアジア唯一の先進国ではないということ。下り坂を下りながら「子育て中のお母さんが、昼間に、子どもを保育所に預けて芝居や映画を観に行っても、後ろ指をさされない社会を作る」しかない。