Lwp51 – 宗教百話(7) 吉野作造と南原繁における「現世を否定する態度」
現世利益を全否定しようとは思いませんが、それでも宗教の重要な役割である「現世を否定する態度」よりも持ち上げられてしまうと、恐ろしいことになってしまうのではないでしょうか。
大事な何かをその手に取り戻す実験場。政治、宗教、生活、歴史、経済など各界の論客たちが思い思いの言葉を綴ります。
放佚無慙に居直りを決め込むのでもなく、極端な「かくあるべし」の奴隷になるのでもない在り方は可能なのだろうか。本連載では、そのいくつかのオルタナティブを考えてみたい。表題は思想家ソローのエッセーに倣ったもので、「生き方の原則」とでも訳せばよいか。優しい甘言を退けながら、時評と書評でその材料を提供してみたい。
現世利益を全否定しようとは思いませんが、それでも宗教の重要な役割である「現世を否定する態度」よりも持ち上げられてしまうと、恐ろしいことになってしまうのではないでしょうか。
「民主主義を学習する」シティズンシップ教育とは一体どのようなものでしょうか。それは、複数性と差異のなかで一人の人間が政治的な主体であることを獲得とするものです。現代日本で最も書けている視座を提供するのが本書の醍醐味です。
この国の配達時間や到着時間は恐ろしいほどに正確です。しかし、その絶対さを保証することは存在論的にあり得ません。この絶対さを強調し依存することは一種の病ではないでしょうか。
政治史の大家が「時代と向き合い歴史を学ぼうとするすべての人々に」贈る歴史論集である。右顧左眄する今こそ紐解きたい一冊である。
内心の自由を尊重しようとすると「調和を乱すやつ」と言われたり、「儀礼に従うことは内心の自由を侵すことにはならない」と言われます。この言い方に潜む問題を考えてみました。
「名著を読む」で『職業としての政治』を取り上げましたので、格好のヴェーバー入門をご紹介します。真摯に自己に立ち返る姿勢こそ、古典との出会いではあるまいか。
福澤は宗教に淡白で功利主義的理解という評価がありますが、福澤の宗教批判を腑分けすると、人間の自由と独立に欠かせないものという理解があります。丸山眞男に導かれながら福澤にとっての「宗教」を考えてみました。
自分の意味を求める内的空虚の苦しみとは人間にとって大きな意味をもつ経験として理解すべきだとフランクルは言う。『夜と霧』の著者による、人間の自己理解を深める飢えで示唆に富む一冊である。
物語とは人が何かを理解する時の手助けになりますが、手助け以上の役割を担わされる時、それは認識や理解を妨げる足かせになってしまうのではないでしょうか。
安保法制を巡って国会前での抗議活動で注目を浴びたSEALDs。今回はその関連本を取り上げることで、民主主義への理解とこの国の歪みを考えてみたいと思います。