けだし、驚異することによって人間は、今日でもそうであるが、あの最初に場合にもあのように、知恵を愛求し(哲学し)始めたのである。ただしそのはじめには、ごく身近な不思議な事柄に驚異の念をいだき、それから次第に少しづつ進んではるかに大きな事象についても疑念をいだくようになったのである。
アリストテレス(出隆訳)『形而上学』、『アリストテレス全集』第12巻、岩波書店、1968年。
ここ3ヶ月近く、西洋哲学史を古代から近代へと至る流れで紹介してきました。3章ではもともと哲学史の扱いはざっくりと概要を紹介した後に、功利主義ープラグマティズムの流れでジョン・デューイの思想を紹介する予定でしたが、やはり、ある程度の要点に関しては、言及せざるを得ないのも事実であり、ヘーゲルまでの哲学史を紹介してきました。まあ、それでも駆け足になりまして、申し訳ない限りでもあります。