当たり前のように遂行され、その意味を考え直してみることが憚れる領域というものが私たちの日常生活のなかにはたくさん存在します。その一つの領域が「子育て」ではないでしょうか。著者である片岡佳美さんは、「家族の実践」研究の第一人者であり、一児の母です。本書は片岡さんが子育てするなかでの驚きや発見を丁寧にすくい上げ、それを言葉へと磨り上げいった軌跡になります。「家族者科学者と息子と猫と」(副題)一緒に考え、悩み、そして、そこで見出されたことがらは、子育て中の親子だけでなく、日常生活の「重力」を「しんどい」と考えている全ての人に吟味してもらいたい内容です。