透明人間

ナショナリズム・排外主義の嵐は、いまや世界中で吹き荒れていると言っていいかもしれない。 ドイツも例外ではない。街を歩いていて不愉快な思いをさせられたことも一度や二度ではない。 しかし、ペギータ(反イスラムの排外主義団体) …

名著を読む22 – ジョン・ロック『知性の正しい導き方』(ちくま学芸文庫)を読む。

 人間が自分自身を導くにあたって最終的に頼ることができるのは、自分の知性です。なるほど私たちは心の諸能力を区別し、あたかも意志が行為の主体であるかのように考えて、最高の指揮権を意志に与えます。しかし実際には、行為主体であ …

Lwp73 – 書評:矢野久美子『ハンナ・アーレント 「戦争の世紀」を生きた政治哲学者』中公新書。【無料】

全生涯をかけて人間を「無効化」することと対峙し続けたユダヤ人の女性思想家がハンナ・アーレントである。本書は、その強靱で根源的な思索の軌跡を浮かび上がらせる最新の評伝である。新書で人物一人を語ることほど難儀はないが、本書は …

Lwp72 – 「私」は「私である」ことを証明できない。

哲学とは、自明であると思われていることがらが、実際のところ、自明ではないことを明らかにしてしまうものですから、七面倒臭いことをいうよりも、黙って仕事しろよっていう社会においては忌み嫌われる営みです。 このコンテンツを閲覧 …

Salt44 – 「永遠の0」と同じ題材やけど

三原佐知子さんという、日本を代表する浪曲師さんに親しくして頂いています。 民謡もうまく、また節回し、セリフともにとても上手な浪曲師さんです。 ヒロシマの悲劇を題材にした「はばたけ千羽鶴」は、なんどもテレビや新聞で採り上げ …

哲学入門42 – ウジケさんと子どもと哲学(1) はじめに【無料】

〔はじめにの「はじめに」〕 ご購読いただきありがとうございます。本文は、お子さま用の〔子ども向け本文〕に加え、お子さま用の〔課題〕が第一の読者である子ども向けの文章になります。こちらに加え、〔一緒にお読みになるサポーター …