Lwp96 – 書評:テリー・イーグルトン(大橋洋一、小林久美子訳)『宗教とは何か』青土社、2010年。

「宗教は、言語に絶する悲惨を人事にもたらしてきた。宗教の大部分は、偏狭な信念や迷信や誇大妄想や抑圧的イデオロギーなどが織りなすおぞましい物語そのものだった。それゆえ合理主義とヒューマニズムに立脚する宗教批判者たちに、わた …

哲学入門61 – コラム:なぜ『存在と時間』なのか。【無料】

ハイデガー論その2では、主として第二次世界大戦後のハイデガーの哲学に注目した。戦後、ハイデガーは言葉遊びめいた難解な言い回しを好むようになる。例えば「ことばは存在の棲家(すみか)である」といった具合である。神秘的なその語 …

Lwp94 – 書評:釈徹宗+毎日新聞「異教の隣人」取材班(マンガ・細川貂々)『異教の隣人』晶文社、2018年。

宗教とは何かと問われて、即答できる宗教学者はほとんどいないだろう。では、どのように宗教を理解すればよいのか。それは「生きた」宗教を知ること、そしてその信仰の生の姿を学ぶことが最も手っ取り早い方法かもしれない。 このコンテ …

ウジケ訊8 – なぜ宗教を学ぶ必要があるのか。

【質問】 ハンドルネーム:HAL 9000 大学では科学を学び、現在システムエンジニアとして働く者です。氏家先生は、宗教を学ぶことを常々強調しておりますが、その理由はなぜでしょうか? 無宗教である人間も宗教(宗教学)を学 …

Lwp92 – 書評:ぶな葉一『北御門二郎 魂の自由を求めて』(銀の鈴社、2014年)。【無料】

「人を殺すくらいなら、殺されるほうを選ぶ」。 戦前昭和において、死刑覚悟で戦争に行くことを拒否した北御門二郎ほど、この現実世界に理想を実現しようと試みた人物は他にはない。 旧制・第五高等学校在学中、トルストイの「イワンの …