Lwp97 – 宗教百話(14) 不安を解消する宗教 不安を煽る宗教

昨年(2018年)、ノーベル生理学・医学賞を受賞された医学者本庶佑さんの近著『生命科学の未来』(藤原書店)を興味深く読んでいます。本書は講演録をまとめた一冊で、なぜこの研究の道へ入ったのかや、がんと闘う抗体を作る発想に至った経緯などを明かしています。筆者が注目したのは、講演「幸福の生物学」で、ここでは、(1)遺伝子と生命、(2)進化における遺伝子の選択、(3)幸福の要素という3つの角度から「生物学の視点から人類にとって最大の命題である『幸福とは何か』」考えてみる大胆な試みです。形而上学的なアプローチではなく、実証主義的な、あるいは科学的アプローチで“慎ましく”「幸福とは何か」を論じたものですが、宗教を考えるうえでも非常に示唆に富むものです。

このコンテンツを閲覧するにはログインが必要です。→ . 会員登録はお済みですか? 会員について