Lwp64 – 利己主義と利他主義は対立するものなのか

フランス・ドゥ・ヴァール(柴田裕之訳)『道徳性の起源』(紀伊國屋書店)は、人間に固有とされる道徳性とは、教育によるだけでなく、生物としての個体に潜在するものではないかと示唆する一冊で非常に興味深く読んだ。本書はボノボとチ …

哲学入門38 – 3.3 前史(9) ニーチェとニヒリズム(1)

(前回までのあらすじ) 前回の哲学入門では、ジェレミー・ベンサムとジョン・スチュアート・ミルを取り上げ、功利主義を紹介した。功利主義とは、社会全体の快楽の増大や苦痛の減少を基準にして、道徳や立法の判断をするべきだという考 …

freak53 – 虚空会って何?/日女御前御返事 その1【無料】

日女御前御返事(御本尊相貌抄)には、御本尊の相貌が次のように記されています(p.1243)。 されば首題の五字は中央にかかり、四大天王は宝塔の四方に坐し、釈迦・多宝、本化の四菩薩肩を並べ、普賢・文殊等、舎利弗・目連等坐を …

Lwp63 – 書評:岩下明裕編『領土という病 国境ナショナリズムへの処方箋』北海道大学出版会。

領土問題は全て政治的に「構築(construct)」された産物である以上、それはどこまでもアポステリオリな事柄である。あるがままのそれをアプリオリと認識するひとは常に「領土の罠」に穽っている。本書はボーダースタディーズの …

ウジケ訊1 – 「個人と所属する共同体の関係はどうあるべきか」

【質問】 ハンドルネーム:チュンヒー 氏家先生 いつも興味深く先生の投稿を拝読しております。先生にご質問する機会が与えられましたので、先生のお考えをお聞きいたしたく質問させていただきます。どんな組織でも「一致団結して」「 …