Lwp90 – 書評:小泉和子編『楽しき哀しき昭和の子ども史』河出書房新社、2018年。

まもなく「平成」という時代が終わろうとする2019年、なぜか「昭和」という言葉を聴くと、懐かしさを覚える人も少なくないのではなかろうか。もちろん、それは昭和を生きた人間のノスタルジアと言ってしまえばそれまでだが、新しい子 …

Lwp88 – 書評:片岡佳美『子どもが教えてくれた世界 家族社会学者と息子と猫と』世界思想社、2018年。【無料】

当たり前のように遂行され、その意味を考え直してみることが憚れる領域というものが私たちの日常生活のなかにはたくさん存在します。その一つの領域が「子育て」ではないでしょうか。著者である片岡佳美さんは、「家族の実践」研究の第一 …

Lwp87 – 宗教百話(11) 「神学」という言葉の積極的な意義

「神学」という言葉を耳にすると、どのようなイメージを抱くでしょうか? 学校教育のキーワードで並べてみれば、おそらく「スコラ学」(中世ヨーロッパのキリスト教神学)とワンセットになった印象ではないかと思います。 このコンテン …

Lwp85 – 書評:奥平康弘・木村草太『未完の憲法』潮出版社。【無料】

本書は、気鋭の憲法学者が碩学と憲法をめぐる過去・現在・未来を自由闊達に論じた一冊である。テーマは「立憲主義」とは何か、改憲論議をどう見るか、現代の憲法をめぐる状況と課題、日本国憲法の可能性と日本の進路等など幅広いが、気分 …

Lwp84 – 共感が創造する社会思想としての人権

人権を根拠付けようとする試みが非常に困難を極めることを筆者は承知している。形而上学的に挑戦すればするほど、それは一種、神学じみてくるし、かといって損得計算よろしく、功利主義的な後出しジャンケンで根拠付けようとすることには …