名著を読む30 – マックス・ヴェーバー(大塚久雄訳)『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(岩波文庫)を読む。

◇ 時は金なり …カトリシズムが「非現世的」だとか(それは仮設上のことに過ぎない)、プロテスタンティズムが唯物主義的な「現世のたのしみ」を含んでいるとか(それも仮設上のことに過ぎない)、その他この種のさまざまな漠然とした …

哲学入門57 – コラム:西洋の没落とヨーロッパの不安【無料】

前回の哲学入門では、現象学から出発し、フッサールとたもとを分かつハイデガーの哲学を紹介した。合理的であることや共通了解の再構築をフッサールは目指したが、それに対し、ハイデガーは、自身が生きている時代を人間がその生の根拠を …

Lwp90 – 書評:小泉和子編『楽しき哀しき昭和の子ども史』河出書房新社、2018年。

まもなく「平成」という時代が終わろうとする2019年、なぜか「昭和」という言葉を聴くと、懐かしさを覚える人も少なくないのではなかろうか。もちろん、それは昭和を生きた人間のノスタルジアと言ってしまえばそれまでだが、新しい子 …

ウジケ訊7 – 濃い付き合いと淡い付き合い

【質問】 ハンドルネーム:なないろ。 濃い付き合いが苦手です。一人で静かに過ごす方が気楽です。例えば、ゆきつけの馴染みのお店なんてありませんが、そういう居場所よりも、すべてが平準化されたチェーン店で独りで食事を摂る方が居 …

Lwp88 – 書評:片岡佳美『子どもが教えてくれた世界 家族社会学者と息子と猫と』世界思想社、2018年。【無料】

当たり前のように遂行され、その意味を考え直してみることが憚れる領域というものが私たちの日常生活のなかにはたくさん存在します。その一つの領域が「子育て」ではないでしょうか。著者である片岡佳美さんは、「家族の実践」研究の第一 …