哲学入門61 – コラム:なぜ『存在と時間』なのか。【無料】

ハイデガー論その2では、主として第二次世界大戦後のハイデガーの哲学に注目した。戦後、ハイデガーは言葉遊びめいた難解な言い回しを好むようになる。例えば「ことばは存在の棲家(すみか)である」といった具合である。神秘的なその語 …

freak93 – こんなときに、仏像かよ!/日眼女造立釈迦仏供養事(その2)

freak91 – こんなときに、仏像かよ!/日眼女造立釈迦仏供養事(その1) のつづき。 御書の御文を、さーっと眺めてください。 御守書てまいらせ候三界の主教主釈尊一体三寸の木像造立の檀那日眼女・御供養の御 …

freak91 – こんなときに、仏像かよ!/日眼女造立釈迦仏供養事(その1)

冒頭に、「御守書てまいらせ候」とあります。「お守りを書いた」というのです。日眼女が「釈迦仏」を作り、大聖人が「お守り」を書く。ううーん。大聖人御化導の終わり近くなって、とてもルーズな「本尊観」ですよね。「本尊雑乱」? そ …

Lwp92 – 書評:ぶな葉一『北御門二郎 魂の自由を求めて』(銀の鈴社、2014年)。【無料】

「人を殺すくらいなら、殺されるほうを選ぶ」。 戦前昭和において、死刑覚悟で戦争に行くことを拒否した北御門二郎ほど、この現実世界に理想を実現しようと試みた人物は他にはない。 旧制・第五高等学校在学中、トルストイの「イワンの …

哲学入門57 – コラム:西洋の没落とヨーロッパの不安【無料】

前回の哲学入門では、現象学から出発し、フッサールとたもとを分かつハイデガーの哲学を紹介した。合理的であることや共通了解の再構築をフッサールは目指したが、それに対し、ハイデガーは、自身が生きている時代を人間がその生の根拠を …

freak87 – 誰がライオンやねん/聖人御難事(その2)

freak85 – 「野干」って何?/聖人御難事(その1) のつづき さて、ライオンです。 ライオンは、世界の40以上の国で、国旗のなかに使われています。第一位です。ちなみに第二位は鷲。第三位は馬、第四位は牛 …

Lwp88 – 書評:片岡佳美『子どもが教えてくれた世界 家族社会学者と息子と猫と』世界思想社、2018年。【無料】

当たり前のように遂行され、その意味を考え直してみることが憚れる領域というものが私たちの日常生活のなかにはたくさん存在します。その一つの領域が「子育て」ではないでしょうか。著者である片岡佳美さんは、「家族の実践」研究の第一 …

哲学入門54 – コラム:公共哲学としての「事象そのものへ」注目する現象学【無料】

前回の哲学入門では、フッサールの現象学を概観した。「事象そのものへ」をモットーに掲げる現象学は意識の経験に注目する。私が見ているのは水仙の花である。水仙の花は私の意識とは無関係に外部に実在すると従来の哲学は考えてきたが、 …